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本稿では,音楽療法におけるエビデンスに基づいた実践 (Evidence-based practice: EBP in music therapy) について,EBM (Evidence-based Medicine: EBM) にまつわる誤解や様々な解釈,心理学領域におけるEBPの問題に関する斎藤の論考を参考にしながら議論を行っていく。EBPの流れは,音楽療法にとって脅 威として受け取られる傾向にあったものの,近年のEBMやEBPに関する議論は,音楽療法におけるEBPを考えるにあたり有利に働くものである。本稿は, 多様なエビデンス,臨床能力,クライエントの個別的ニーズを統合することがEBPであるというコンセンサスがすでに形成されていることを示す。その一方 で,無作為割り付け試験 (Randomized-Controlled Trials: RCT) や標準化された介入プロトコールの導入については,未だに難しい問題を残していることについても言及する。EBPは,非常に複雑で個々のバイアスに左右さ れやすい問題である。したがって,音楽療法士が,EBPについて注意深く学び,効果的にEBPを取り入れていくことは音楽療法に利益をもたらすことにな る。筆者は,EBPを効果的に導入することを支持する立場であり,そのための理論や方法論の構築が急務であると考える。, The author discusses what music therapists must work on to establish Evidence-based practice (EBP) in music therapy by referring…
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